【5分でわかる】PR・広報戦略の立て方・計画のポイントを解説

  • URLをコピーしました!
広報戦略

PR・広報は巻き込む社内の規模や、効果を単発であげていくものではないため、その成果を最大化させるためにPR戦略・広報戦略を策定する必要があります。目の前の活動に終始するのではなく、経営戦略・事業戦略を踏まえた戦略を策定していきましょう。

本記事では、成果を最大化させるためにはどのような手順でPR戦略・広報戦略の策定を進めればいいのか、立て方のポイントを交えてご紹介していきます。

目次

なぜPR戦略・広報戦略が必要なの?

PR メリット

PR・広報の力で企業・サービスの価値を高めるには、一貫した情報・メッセージをステークホルダーに対して発信し続ける必要があります。

購買や使用によって個々の体験を魅力に感じていたとしても、それぞれの体験ごとに一貫性がない情報を受け取ってしまうことで企業やサービスを間違って記憶してしまったり、そもそも記憶されないことが起きてしまいます。メディアに取り上げられた、クチコミで知人から話を聞いたところで、一時的な情報となってしまい、それが継続することはありません。だからこそPR戦略・広報戦略を考えるうえで、社内外に一貫してその価値を理解してもらえる状況を作る必要があります

改めて、PR(Public Relations)とは?

PRとは、「大衆の、公衆の」を意味する”Public”と、「関係、交渉」の”Relations”の頭文字を取った略語です。組織と組織をとりまくパブリックの間の、相互に利益のある関係を築く「戦略的コミュニケーションのプロセス」「思考」であり、混同されるような「情報発信すること”だけ”」がPRではありません。

「組織と組織をとりまくパブリック」すなわちステークホルダー(企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係)との関係構築を進めていく活動が『Public Relations』なのです。

PR・広報戦略の立て方

広報戦略 ステップ

PR戦略・広報戦略を策定する上で、いきなりプレスリリースの配信方法や記者会見の検討を進めるのではなく、適切なステップに沿って戦略を策定していくことが欠かせません。「3、PR・広報計画の立案」からスタートされる企業が多いのですが、実は特に重要なのは見落とされがちな「1、経営戦略・事業戦略とのすり合わせ」「2、経営戦略に沿ったPR活動の立案」。

PR戦略・広報戦略を単独で策定するのではなく、企業や事業の全体方針に合わせて戦略を策定していくことが必要です。

ステップ1:経営戦略とのすり合わせ

PR・広報戦略策定のステップ1
  1. 企業・事業として目指す姿・ありたい姿の理解(ビジョンや経営理念の理解)
  2. 経営戦略・事業戦略の理解(上記をどのように実現しようとしているのか)
  3. 消費者の認知とのギャップ確認(上記を進める上での消費者との認識齟齬・伝わっていないことの把握)
  4. 到達点の設定(認知とのギャップをどのタイミングまでに埋めていくのか1・3・5・10年)

PR戦略・広報戦略を策定する上で必要なのは、企業や事業の成長スピードを最大化させるために「経営戦略」「事業戦略」を把握することです。

これらを加味し、戦略を考えていきます。

ステップ2:経営戦略に沿ったPR活動の立案

PR・広報戦略策定のステップ2
  1. ステークホルダー・注力ポイントの決定(到達点を達成するためには、誰を巻き込んでいく必要があるのか?)
  2. ステークホルダーの変容状態の設定(認知・理解・行動変容のどこに目的をおくのか?)
  3. メッセージ・ストーリーの設定(上記を達成するために何を伝えていくのか? )
  4. コンテンツの検討(上記を達成するために、どのような場を設計すべきか?)

ステップ1が完了したら、いよいよPR戦略・広報戦略を策定します。上記4つを整理していくイメージです。

このステップでは、ステップ1で整理をした「到達点の設定(認知とのギャップをどのタイミングまでに埋めていくのか1・3・5・10年)」を実現するために、誰を巻き込むのか?どのような状態になってもらう必要があるのか?それを実現するためにはどのような情報・体験を提供すべきかについて検討を進めていきます。

ステップ3:PR・広報計画の立案

広報計画

いよいよPR・広報計画の立案です。ステップ1〜2で全社あるいは事業の全体像からいつまでに、誰に、何をしなければならないのかが明確になりました。

PR・広報戦略策定のステップ3
  1. 自社年間計画(企業事業の盛り上がりタイミングに合わせた計画、関連部署の活動把握)
  2. 社会背景・ニュース年間計画(新制度や毎年の定例行事など、ニュースになりそうな活動の把握)
  3. ステークホルダー年間計画(ステークホルダーの年間の活動把握。例:BtoBだと予算策定タイミングなど)

上記3つの年間計画を1つのカレンダーにまとめていきます。全社に共有して、共通認識を持った活動を進める上でも確認しやすい場所に格納しておくのが良いでしょう。下記も参考にしてください。

ステップ4:PR・広報戦術の決定

ステップ3で年間カレンダーを策定したら、カレンダーを元に単発(点)での情報発信ではなく、面で継続して多角的に伝えていく情報伝播の仕組みを考えていきます。PR・広報”施策”年間計画の策定です。

PR・広報戦略策定のステップ4
  1. 施策計画の策定(トリプルメディアの使い分け、記者会見・イベント、調査など自社年間行事を盛り上げる活動の策定)
  2. 情報伝播の構造策定(施策計画の各活動を広げていくための活動設計、プレスリリース・ニュースレターの発信、メディアアタックなど)
  3. 1・2の社内共有(マーケティング、セールスなど連動する部門に共有、タイミング・メッセージをすり合わせる)

メディアリレーションズ単体で考えるのではなく、社内のマーケティング活動や、巻き込むことで効果的な活動ができそうなステークホルダーとの関係構築を進めて行くことも検討できると良いでしょう。また、広報会議の『SNS、スマホ普及で激変!ネット上の企業情報流通は今こうなった』(上記図)のように、どのような情報流通構造をしているかも考慮する必要があります。

例えばメディアリレーションズの活動を考えるのであれば、主体的に構築する攻め・アウトバウンドの手法と、仕組みを構築することによる受動的・インバウンドの手法の2つを組み合わせるのが効果的です。アウトバウンドの活動を進めつつ、関連するテーマが話題化するタイミングでメディアから問い合わせがくる仕組みを作ります。

例:メディアリレーションズ視点での情報流通構造
メディアリレーションズのアウトバウンド手法

こちらから主体的にメディアとの関係構築を進める方法として、メディアプロモート(メディアへ直接連絡して、自社の紹介をする活動)や、プレスリリースの配信、記者会見などのイベントの開催があります。

メディアに取り上げてもらうためにはニュースバリューが必要です。そのポイントは多岐に渡りますが、媒体ごとに求めるニュースバリューは異なります。マスメディアであれば、より広く消費者が気になるポイントを、専門媒体であれば、その業界やテーマの最新情報を求めていますので、媒体ごとに切り口を変えて折衝する必要があります。

どんなメディアに対したアプローチしていくかはこちらの記事を、プレスリリースについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

メディアリレーションズのインバウンド手法

メディアがあるテーマについて調べた際に、第一人者として認識される仕組みづくりを中期的に作っていくことが効果的です。

たとえば、「〇〇といえば△△」の”〇〇”を作れていますか?メディアが取材先を探す際には、webで検索ワードを打ち込み対象を探します。その際にそのテーマに関連する情報について幅広く発信している企業として認知されることで、取材先の優良候補として選定してもらうことができます。例えば定期的に関連するデータを配信する(例えばリクルートの採用動向や、住みたい街ランキングなど)ことや、定期的に業界の最新動向を共有するような懇親会を開催することで、第一想起をしてもらえる機会が増えます。

また、自社のオウンドメディア(ブログ)やサイトで関連する情報を定期的に発信つづけることも効果的な手法の1つです。

ステップ5:PR施策・広報施策の実行

広報戦略

戦略・戦術が策定できればあとは実働するだけです。予定していた活動が計画通りに進んでいるのか?、計画通りに進んでいるにもかかわらず課題になっていることはないか?などを見ていきます。

PR・広報戦略策定のステップ5
  1. 効果検証・評価
  2. 社内外への共有

また、メディアに紹介してもらった内容についてクリッピングサービスなどを活用し抜け漏れなく把握し、SNSやメルマガなどで社外に発信したり、セールス資料におりまぜて信頼性を担保するなど、活動効果を最大化する活動も欠かせません。

PR・広報戦略を立てるときのポイント

PR・広報戦略策定のポイント
  1. PR・広報だけで戦略を考えないこと
  2. 効果測定も合わせて考えること

PR・広報活動を効果的なものにするために、ポイントをおさえておきましょう。PR・広報戦略策定ステップでもふれている、以下の2点がポイントです。

PR・広報だけで戦略を考えないこと

PR・広報だけに限ることではありませんが、関連するチームと連携することで効率よく効果をあげることができます。単体活動による点の成果ではなく、マーケティングや営業と連携することで効果を最大化させましょう。

PRの活動が“どのターゲット”の“どのファネル”への影響を目的とするのか、自社年間計画・社会背景・ニュース年間計画・ステークホルダー年間計画など、PR・広報戦略策定ステップであげた活動の全体像について共通認識を持つことはもちろん、成果に対しての連携も欠かせません。メディアで掲載された際にはSNSやメルマガでの発信や、営業資料へ反映してみましょう。

効果測定も合わせて考えること

「PR活動の効果は測れない」そんな言葉を耳にすることもあります。ですが、活動の良し悪しを判断するためにPR・広報の影響・貢献度を測定しましょう。何が課題で目的とした成果につながらなかったのか、どこを改善するべきなのか、次の活動への仮説を立てやすくなります。

PRの活動目標を何に設定するかで見るべき評価指標が異なりますが、「アウトカム(ステークホルダーへの影響)評価」、活動による結果「アウトプット評価」、活動の妥当性を図るための「プロセス評価」の3段階に分けて考えると良いでしょう。評価の方法なこちらの記事でも説明してるので参考にしてみてください

例:アウトカムの指標
  • 認知度
  • PV / UU
  • 指名検索
  • ソーシャルリスニング
  • 問い合わせ数
  • 社内サーベイの結果(社内広報)  
  • 応募者数(採用広報) など

スタートアップなどPR・広報部門立ち上げ初期にアウトカム評価まで設定するべきかどうかは、専任か兼務か、経験者か未経験かによって意見が分かれると思います。立ち上げ3〜6ヶ月はアウトプット指標の必達を目指し、プロセス指標と合わせて結果を見つつ、アウトプット指標の恒常的な達成が見え始めてからアウトカム指標を設定するなど、柔軟に対応してみてください。

さぁPR戦略・広報戦略を検討してみましょう

成果を最大化させるためにはどのような手順でPR戦略・広報戦略の策定を進めればいいのか、立て方のポイントを交えてご紹介してきました。

とはいえPR戦略・広報戦略をいきなり作成するのは難しいもの。まずは簡易版でも良いので、まずは2時間ほど使って一度この順序に沿って検討してみてください。計画した上でもう少し具体的に検討を進めたい場合は、PR会社かフリーランスのPRパーソンに相談してみてください。

広報戦略

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次